第5章 お前を全部俺に寄越せ【真・幕末新撰組】
「………っ。
ああ、そうだよ。
あんたに会いたくて堪らなかった。」
「そうか……。
じゃあ土産をやらなきゃな。」
「………ん…」
土方さんの唇が俺の唇に重なり、その待ち焦がれた感触に下半身がずくりと疼く。
だけどその感触は直ぐに離れて行ってしまった。
「……土産は…それだけかよ。」
「もっと欲しいのか?」
意地悪く口角を上げた土方さんの顔を見て、俺は急激に沸き上がった恥辱にカッと熱くなる。
「どっ…どうせあんたは毎晩吉原辺りで
女を抱いてたんだろ?
あんた程の色男なら女の方が放っとかねえだろうし……」
「お前は本当に可愛い奴だな。
………溜まってんのか?」
何だよ、その言い方。
そりゃ……溜まってるけどさ。
誰の所為でそうなったと思ってんだ。
「じゃあ……あんたは溜まってねえのかよ?」
俺が僅かな挑発を試みてみると
「ああ、溜まってねえな。」
土方さんはその挑発を見透かした様ににやりと笑う。
そしてその言葉に強張ってしまう俺の表情を殊更満足気に見入って続けた。
「お前の事を想いながら、
毎晩自分で処理してたからな。」
「……………っ。」
何だよ、それ。
本当だとしたら……嬉し過ぎる。