第4章 アナタ ト イキタイ【イケメン戦国】
「…………え?」
三成くんの言っている意味が理解出来ない。
私は浮かべていた表情を崩す事も忘れ、笑顔のまま三成くんに問いただす。
「信長様に……って言った?」
「はい。」
全く悪びれた様子も無く、三成くんは笑顔で頷いた。
…………どういう事?
思考が感情に追い付かなくて、さすがに私の顔も歪む。
すると三成くんは焦ったように私の頬を撫でて言った。
「あ……信長様でなくても構いませんよ。
家康様でも、秀吉様でも……
様がこの人なら…って思われる方なら
どなたでも構いません。」
「ちょっ……ちょっと待って。」
私は三成くんの胸を両手で押し返し、激しく打ち出した鼓動を抑えようと俯く。
そんな私の背中を三成くんは癒すように擦り始めた。
「大丈夫ですよ、様。」
いつも通りの優しい声色に恐る恐る顔を上げると、そこには天使スマイルを浮かべた三成くん。
「お相手が様ならば、どの御仁も断られる筈はありません。
きっと様を充分に満足させて下さいます。」
私が大好きな「大丈夫ですよ、様」という三成くんの言葉が、こんな場面でも使われるなんて……
まるで崖から突き落とされたみたいな気分だ。
「でも……でも、私が愛してるのは三成くんなんだよ?」
私がそう声を絞り出した時、初めて三成くんが驚いたように目を見開いた。
「私もです!」
そしてまた、私を強く抱き締める。
「私も愛しているのは様だけです。
貴方だけを誰よりも愛しています。」
……じゃあ…どうして?