第10章 ボクゥ、キミ苦手やねん。/弱虫ペダル、御堂筋翔
「…オマケがついた…」
「ほやなぁ」
「…長くなった…」
「得したなぁ」
「…これを得と言う?日本語ムズカシイ」
「せやろ。キミに日本語は無理や。性格的に無理やと思うわ。イタリアに帰ったらええよ」
「性格的にと言うならばミドースジくんも日本語無理派じゃないだろうか」
「そら言いがかりや。ボクはネイティブやで」
「言語に性格的な向き不向きがあるというのは解ります」
「はぁ」
「話す言語によって性格が変わる人もいると聞きます」
「はぁ」
「ミドースジくんはイギリス向きでしょう。クィーンイングリッシュで話してどうぞ」
「…キミ何言うとんの?何でボクがイギリス向きやの」
「イヤミだから」
「キミの偏見がいきなり剥き出しになったなぁ。いやぁ、洋行帰りのレイシストォ?コワァ」
「ではミドースジくんはイギリスをどう思います」
「嫌味ィなジェントルメンの島ァ」
「自己紹介乙」
「お、乙?…あのなァ…。何でも覚える順番は大事やで?」
「乙は何番目に覚えるのが程よろしい?」
「そんなん後回しで構ん。何なら覚えんでもええ」
「語彙は豊富な程物を言い易いことない?」
「ない」
「ふーん。覚えすぎもダメ?アチコチ難しいね、イギリスくん」
「イギリスて。何時からボク国になったん?キミは言いがかりがワールドワイドやなぁ。流石帰国子女やぁ」
「ワールドワイド。ワールドワイド…」
「…あぁ。キミィ、イタリアンやったな。もしかして片仮名英語あまり詳しないん?キミの話すコトがあちこちちぐはぐで解り辛いんは、何もかんも付け焼刃のせいかぁ」
「ワールドワイド。世界規模」
「出たで、音声アシスト」
「世界規模の言いがかり?」
「国が出たら世界規模やない?」
「話がデカクなって来ました」
「キミが大きしたんで?」
「夢はデッカイ方がいい」
「はぁ?夢ェ?キミィ、昆虫並みに訳分からんなぁ」
「デカイもの繋がり?」
「いっそも繋がってないわ。デカイの単位とか種類が違うやろ」
「おおぉ!?デカイの単位!衝撃!是非知りたい!夢の単位!世界規模の単位!日本語面白い!教えて!イギリスくん!」
「イギリスくん言うな!そんなもんあらへんわ。知らんがな」
「はぇ?アラヘン?」
「ありませぇん。聞いたことないわ」