第14章 蛇足 /弱虫ペダル 御堂筋翔
おやおや。子猫ちゃんが照れてるな?
…君のそういうとこ、ホンマにキモいわ。
何と言われようと構いません。
ちょっとは構いや。君というショーモナイ人間の進歩に繋がるかも知れんでェ?…繋がるとえェなァ…。
まあそれは置いといて。
置いといたらあかん核心やで。
核心はこれからです。私、本当の御堂筋くんはロードレースにいると思いました。素晴らしく真剣だ。死に物狂い。…うん。死に物狂い。凄い日本語。
は。何が核心や。アホか。本当のボクなんか色んなとこにいっぱいおるわ。
へえ…。もしかしたら私のところにも?
さあ?そんなことくらい自分で考えや。
人の思ってること、考えるだけでわかったらいいんだけど難しい。教えろ。
教えろって君ィ。…あー、まァええ。宿題ばっかじゃ返ってアホになりかねんもんな。ボクも宿題言い飽きて来たしィ。
出し過ぎましたねえ。飽和状態?
やかましわ。出されることし過ぎなんや。反省しィ。
了解。反省するから教えて下さい。
君の了解は信用出来ん。
了解はダメですか。では了承致しましたは可?
はァ…。可でも否でも君は食い下がるんやろ?
食い下がりますね。
……まァせやな。…いるっちゃいるんやないの?…君がいたらええって思うンなら…。
よし来たそれならいるってことでよろしく!嬉しい!シー!
は?シー?海?海が何やて?
いや、海じゃない。何言ってる?シーだよ。シーじゃなくて。
…またグーグル先生案件かいな。
御堂筋くんはイタリア語勉強しないとですね。
あぁ?
だってジロに出るんでしょ?イタリアのプロチームに入って。ふふん。イタリア語を覚え始めたら頓珍漢はあなたになるだろう!楽しみすぎて胸が高鳴ります!
そんなことで胸が高鳴るゥ?安いもんやな。
…でもですね。
何ィ?難し顔して今度は何言い出す気ィ?
言いたかないけどさっきのバチのほうが高鳴りました。
は。当たり前や。ボクが誰にでもあんなことすると思うたらあかん。そこんとこよォ弁えんとあかんで、君は。
…ホントにあなたは…。
何や。
御堂筋だなあ…。
呼び捨てすんな言うとるやろ。ええ加減にせえよ、君ィ。