第3章 ふたつめ。
一松「あ、えっと・・・十四松はいいの」
十四松「おれ、もう呼ばれてたし!」
ああああ・・・、そうだった。
コイツ真っ先に名前呼んでもらってたんだった・・・!しかも2回。狂喜乱舞したの絶対名前呼ばれたからだ。
逃げ道なくした。詰んだ。
いや、詰まなくてもよかったけど。めっちゃ呼ばれたい。
でも、なんて言えばいいんだ。他のみんなみたいに言えばいいの?
いや、そもそも僕名無ちゃんに話しかけた事無いんだけど・・・。笑顔初めて見た時も十四松が勝手に笑わせただけで・・・・・・あ、名乗ったっけ。いや名乗っただけで別にこれと言って何かの話題があって喋ったわけじゃないし。
一松「・・・、・・・名前で呼んでくれる」
・・・あー。
僕、今無表情だ。確実に。これ絶対暗い奴だって思われたよ。根暗だとも思われた。
よく職質されるからその癖が抜けてない。あれは警察相手だ、今の相手は名無ちゃん。
本当、こう言う不気味な態度だから周りから気味悪がられるんだ。
名無ちゃん、引いただろうな。
うわなに一松くんってこんな性格だったんだキモい、とか思ってるんだろうな。・・・ある意味、それはそれで蔑まれたい。かも。
ふわ
『うん・・・よろしくね、・・・いちまつ、くん・・・』
一松「・・・・・・・・・、っ!」
え・・・。・・・え、?
なん、で・・・・・・そんな柔らかい笑顔浮かべてるの。