第3章 ふたつめ。
平日の日中に人目を気にする事無くやいのやいのと言い合うブラザー達。
まあ、産まれてからずっとこの土地で育った訳だし地元の人からして見れば「あー、松野さん家の六つ子がまたやってる」ようなものだ。
だがそんな言い合いも、オレの隣に居た名無ちゃんがクスクスと笑みを零した事により止まった。
『ふふ、・・・ふふっ・・・。
にぎやかな・・・いえ、なんだね・・・』
チョロ松「え・・・あー、うん。
まあ総評すれば賑やかかな。逆に静かな方が珍しいよね?」
おそ松「だな。
つーか、え。もしかして俺ら賑やかだった?」
トド松「かなり賑やかだったよねー。
おそ松兄さんがダントツで」
十四松「おそ松兄さん五月蝿いってさー」
おそ松「え、俺?
いやいや、チョロちゃんの方が五月蝿かったっしょ〜」
チョロ松「五月蝿くさせるきっかけ作ったのそっちだろ・・・」
カラ松「フッ・・・オールウェイズでこんな感じのブラザー達だ。
名無ちゃんはあまり賑やかなのは好まなかったり・・・するのか?」
段々と近づいてくる家。
これからこの賑やかなオレ達とともに過ごす訳だが、静かな方がいいと言われたらどうしよう。
ブラザー達も気になっているらしく、名無ちゃんに視線が集まった。
『・・・ううん、だいじょーぶ。
いろんな、音・・・・・・声、ききたい。だから・・・にぎやかなのは・・・すき、だよ』
にこ
おそ松「・・・名無ちゃん、好きってもっかい言ってくんね?」
『?
・・・すき、だよ』
カラ松「・・・・・・くっ、なんと言う破壊力・・・!
その二文字の言葉がこんなにもオレのハートに突き刺さってくるとは・・・・・・!」
『?、??』
十四松「あーもー可愛すぎっぺー!
家宝もんだべこれ!
名無ちゃん可愛いっ!!」
チョロ松「こ、これが女の子・・・!
些細な言葉でもこんなにドキドキするのか・・・・・・っ!」
名無ちゃんの好きと言う言葉にオレ達が悶え、当の本人の名無ちゃんは終始首を傾げていた。