第3章 ふたつめ。
side 一松
デカパンに呼び出された。
どうせお前ら暇を持て余してるんだろうから、今すぐ研究所に来い。
とかなんとか。
チョロ松兄さんが理由を聞こうとしたら即切られた。
チョロ松兄さんとトド松が名無ちゃんに会いに行ってから2週間くらい立入禁止食らってたし、断る理由も無かったから僕ら六人は研究所に向かった。研究所が封鎖されてたから、文字通り立入禁止。
なんで立入禁止になったかって?知るか。
・・・ぶっちゃけ、僕は名無ちゃんと顔を合わせたのは十四松を見つけたあの時。たまたまその時に名無ちゃんの笑顔が見れた。すっげー可愛かった。マジ可愛かった。十四松グッジョブ。
童貞ニート社会のクズの三拍子揃った僕が言うのもあれだけど、めっちゃくちゃ可愛かった。思わず発火しかけた。十四松に可愛いか聞かれて頷いてエスパーニャンコ連れて来るとか言われて我に返ったけど。
・・・親友不在でマジ助かった。居たら僕の思ってる事だだ漏れになる所だった。あ、いや別に居なくて良いって訳じゃない。
十四松「名無ちゃんに会えるかな、一松兄さん」
一松「・・・さあ」
十四松「会いたいね!」
一松「・・・・・・こんなクズに会っても嬉しくないでしょ」
そうだ。
こんな僕に、会いたいなんて言うはずない。
そもそも名無ちゃん喋れないんだし、言う訳ないけど。