第2章 ひとつめ。
笑って、る?
新品のスケッチブックのような真っ白な髪。
少し薄いけど血の通ってる肌。
閉じずにしっかりと僕達2人を視界に捉えてくれてる灰色の瞳。
今の今までずっと変化の無かった無表情。
それが・・・少しだけ、本当に少しだけだけど。
目を細めて・・・口元が弧を描いてる。
つまり、笑って・・・くれて・・・る・・・・・・。
名無ちゃんの変化にハッとした僕は、すかさずトド松に声をかけた。
チョロ松「っッ・・・・・・トド松、!」
トド松「、っ・・・・・・!
あ、うんっ!!」
カシャッ
チョロ松「・・・、と・・・撮れた?」
トド松「・・・・・・うん・・・。
撮れ、た・・・。・・・笑ってるよ、名無ちゃん」
チョロ松「・・・・・・・・・そう、だね・・・。
笑ってくれた・・・!」
トド松「・・・・・・っ・・・ぃゃったあぁ~!!
名無ちゃん、笑ってくれた・・・にこって笑ってくれたよチョロ松兄さんっ!!」
本当に嬉しそうに、トド松が喜ぶ。
かく言う僕もあまりにも嬉しくて、柄にもなく喜んだ。
正直、どこのポイントで笑ってくれたのは解らないけど・・・。
今はとにかく名無ちゃんが笑ってくれて、本当によかった。
・・・・・・・・・て言うか、すっごく可愛くてニヤける。
これ家に帰るまでに表情戻しとかないと絶対茶化されるよな。