第68章 六十八日目
ウリエに一人でハンジの所へ礼を言いに行くように言った。
どのように伝えればよろしいでしょうか。とバカみたいに聞いてきたので、お前の言葉を考えて伝えろ。と言った。
俺は溜まったデスクワークを片付けると言って、一切ウリエには関わらなかった。
夜、部屋に戻る前にハンジの所へ行った。
「今日ね、ウリエちゃんがお礼を言いに来てくれたんだよ!」
「そうか。なんて言っていた。」
「ノートとペンをありがとうございました。って深々と頭を下げてたよ。あれ、リヴァイが来させたんでしょう?」
「あぁ。」
「きっとあのウリエちゃんの事だから、使わないで大事にとっておきそうだ。ちゃんと使うように言ってあげるんだよ。」
ハンジはウリエの事をエルヴィンから聞いて知っていたそうだ。
特殊な生い立ちも、どうして今俺の所に居るのかも。
協力してくれるのは助かる。
部屋に戻ると、不安そうな顔をしたウリエが待っていた。
ベッドに座って本も読まずに。
「ハンジがそのノートとペンを遠慮なく使えと言っていた。お前の好きなように使ってみろ。」
「あ、はい……。」
あれだろう。
本当に使っていいのですか?って聞きたいのだろう。
「何か不満でもあるのか。あるなら言え。」
「い、いいえ!」
まぁ、人形なら主人の言う事が絶対だ。
好きなように使わないといけないだろうな。
困ったようにノートを見つめるウリエが面白かった。
・・・