第63章 六十三日目
体が痛むのだろう、ウリエは今日一日部屋で大人しく過ごしていた。
ウリエが来てから二ヶ月たった。
あの時から比べてだいぶ進歩しただろう。
特に予定の無い日は勝手に資料室や庭へ行くようになった。
食堂へも自分で行っているようだ。
部下たちとも少なからず会話のような物をしているようで、時折部下たちからウリエの話を聞くようになった。
ハンジと仲良くしているようだ。
きっとくだらない巨人の話を永遠に聞いているのだろう。
ただ、これは俺が仕事でウリエを見ていられない時だ。
俺がいると話が違ってくる。
常に俺の視線を窺うし、俺が何処かへ行こうとしたらついてくる。
問いかけても俺の意見を求めるのはまだまだ治らない。
休日は特にお人形戻りが激しい。
手が掛かる。
当分の目標は、自分から自分の意見を言えるようにする。だ。
頭が痛い。
・・・