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観察日誌  リヴァイ・アッカーマン

第16章 十六日目




何がしたい?と質問をすると昨日と違って、しばらく逡巡した後に「リヴァイ様の思うように。」と苦し紛れに答えた。

「ウリエ。もう一度聞くぞ。今日は何がしたい?」
「…ほんを―――……リヴァイ様の思うように。」

本を。と言ったな。
酷く小さい声で俺から目を逸らして言った。

成長した。

「良いんだな?俺は明日からの索敵訓練の準備に行くぞ?」

部屋で一人きりにするんだぞ?
部屋に一人きりで、読みたい本を開く事も出来ずに一日悶々と過ごせと脅した。

「…リヴァイ様。」

喉まで言葉が出かかっている。
いつも無表情か笑顔しかなかった彼女の顔がわずかに悔しそうに歪む。

さすがに耐えられなかった。

「読んでいい。」

その一言で彼女の顔がぱっと笑顔になった。
張りつけの笑顔ではなく、心からの笑顔だ。

「ありがとうございますっ、リヴァイ様!」

声が弾まぬようにぐっとこらえていた。
それを見て笑う俺をウリエは不思議そうな顔をして見ていた。

腹が減ったら飯を食え、眠たくなったら風呂に入って寝ていろ。
そう言って俺は部屋を後にする。


夜、部屋に戻ってくると椅子に座ったまま膝に本を広げ寝ていた。

起こすのも忍びなかったので、未だに肉がつかず細いままの肩に毛布をかけてやった。





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