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観察日誌  リヴァイ・アッカーマン

第13章 十三日目




「俺は行く。」
「行ってらっしゃいませ。リヴァイ様」

「……。」

様もよせ。と言いそうになったが、始終監視のできないこの時期に、気軽にリヴァイなどと呼ばせていては下手な事に巻き込まれかねない。
俺の所有物であり、何かあれば俺が必ず出てくるのではないかと、奴らに勘ぐらせるぐらいがちょうどいいだろう。





夕刻。
そろそろ夕食が近い時間、部屋に戻る前に資料室に寄って見た。
中で数人作業をしているようだった。
俺に気が付くと立ち上がり敬礼を向けてくる。

「そうそう!さすがだねぇ!」

耳障りな奇行種の声。
話し相手が誰なのか、少し予想がついてしまった自分に内心ため息。

「ハンジ。何してる。」
「やぁ!リヴァイ!ウリエちゃんがねー巨人に興味あるってー♪」
「あぁ。興味があるようだったからここへ越させた。」

机に隣同士に座り、分厚い資料を二人で眺めていたようだった。
ウリエはと言うと相変わらずの無表情に見えたが、楽しんではいるようだ。

「ウリエ。一人でここに来れたのか?」
「はい。」
「実はね!私に道を聞いてくれたんだよ!たまたま廊下で会ってね。」
「……そうか。夕飯だ、片付けろ。」
「はい。」

残念がる奇行種をよそに、テキパキと片付けを進めるウリエ。
まるで生真面目なまでに公私を分けるバカのようだ。
食堂で夕食を取り部屋に戻ると、いつものように命令があるまで自分の場所から動かない。

寝るぞ。
声をかけるといそいそとベッドにもぐりこみ、おやすみなさい、リヴァイ様。と感情の読めない声と笑顔でそう言い目を閉じた。

何かに興味を持って、自分から手を伸ばすようになるのはいつになるだろうか。




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