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観察日誌  リヴァイ・アッカーマン

第129章 百二十九日目



初めてウリエとの会話に成功した。
話題は壁の話だった。

「壁の上には登れるのか?」
「はい。今朝ハンジさんが壁を守る兵士の話をしてくれました。」
「あぁ、登れる。」

また、奇行種の入れ知恵だ。
もしかしたら巨人が見えるかもしれない壁の上。
ウリエの興味をそそるにはもってこいだろう。

「誰でも簡単に登る事ができると……」

つまりは登って見たいと言う事なんだろう。
ウリエの興味を馬から巨人へと戻すために手段を選ばなくなりやがった。
兵士でも訓練兵でもない、興味本位の非力な女を登らせる訳ないだろう。

「誰でもじゃない。それなりに限られた奴らだけだ。ハンジの言う事を鵜呑みにするな。」
「限られた…」
「あぁ。お前も立体起動ぐらい出来るようになれば連れて行ってやらん事もない。」
「出来るように……」

これを会話と呼ぶべきなのか?

ウリエはわからない事を躊躇なく質問してくるようになった。
前ならば、聞く前に自分で調べると言う方法を取っていた。

俺にいちいち質問しながら、聞いたことをノートにメモを取っていく。

まるで勉強会のような会話だった。

まだ少し、人間から逸脱はしているようだ。





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