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〜Cafe myosotis〜

第10章 -雨のおくりもの-(黒尾/赤司)


「あいつ、おっせぇなー。
見に行くか。」


黒尾は奥の部屋へ続く
ドアの方へ視線をやる。


「はぁ…黒尾さん、魂胆バレバレです。」


そう言って黒尾を
止めたと思った赤司は、
立ち上がると、黒尾よりも先に
奥の部屋へ続くドアの方へ向かった。


「あ‼︎赤司‼︎てめっ…‼︎」


ガチャ…


「「…っ⁈」」


「すみません…。
ありがとうございます…。」


おずおずと出てきたすみれを見て、
思わず息を飲む2人…。


まだ少し髪の濡れた
男物の服を着たすみれの姿は、
男2人の視線をいとも簡単に釘付けにした。


「あの…?」


「あぁ。ごめんごめん。
可愛くてつい見とれてただけだから、
気にしないで。
とりあえず、こっちに座ってください。」


「えっ⁈あ…あの…⁈」


”見とれてた”という赤司のことばに
ビックリしているすみれだったが、
言われるがまま、カウンター席へ行く。


「(赤司のヤツ…相変わらずだな…)
すみれちゃん、酒飲めるか?ワイン平気?」


「はい。ワイン…好きです。」


「んじゃ、ちょーどよかった。
はい。あったまるぞー?」


黒尾がすみれに出したのは、
ホットワインだった。


「うわぁ…いい香り…」


「気に入ったか?オレからプレゼント♪」


「え⁈いえ‼︎ちゃんと払います!」


「いいっていいって。」


「でも…」


「さっき黒尾さんが変な服着せようとした
お詫びだと思えばいいよ。」


赤司はすみれの隣に座り、
優しく声を掛けた。


「おい‼︎赤司、おめぇはまだ仕事中だろ?」


「すみれさんのお相手をするのが、
今のオレの仕事ですから。」


「…っ⁈」


「あのなぁ…」


ニッコリ微笑む赤司に
呆れる黒尾も何も言えず、
まぁ他に客もいねぇしな…と、
それ以上は何も言わなかった。


「で?」


「え…?」


「そんなに濡れるまでボーッとして、
いったいなにがあったんですか?」


ホットワインで、
頬が少し赤くなっているすみれに
赤司は単刀直入に聞いた。


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