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〜Cafe myosotis〜

第9章 -1日の終わりに-(東峰/木吉)


「あわわわ…木吉!何言ってんの!」


「…っ⁈」


カウンターの奥から木吉とは別の声が聞こえすみれはふと顔をあげたが、
思わずビクッとしてしまう。


「なんだ、旭さんかー。
何って…話してただけだぞ?」


「話してたって…はぁぁ。もういいよ。
すみません、迷惑掛けちゃって…。
こいつちょっとトボけてるから、
気にしないでくださいね。」


「い…いえ‼︎」


旭と呼ばれたこれまたデカくて…
一見怖そうな人が、
ものすごく申し訳なさそうに謝ってきて、すみれはブンブンと、
ただ首を横に振るので精一杯だった。


「オレより旭さんのほうが、
絶対すみれさんに
迷惑掛けてると思うけどな!」


「え⁇」


木吉の思わぬジャブに、
旭はハッとすみれのほうを見る。


「えっ⁈あの…迷惑だなんて…‼︎
あわわ…ご…ごめんなさい〜‼︎」


「ほらな。」


ただでさえ、
木吉に困惑していたすみれは
口調は優しいが見た目が少し怖い旭に
まだ少しだけ…
少しだけビクビクしてしまっている。


「そんな…
そんなに怖がらなくても…」


まるで重い漬物石でも
頭に乗せられたかのように
ずーーんと効果音が聞こえそうなくらい
落ち込む旭だった。


「え…⁇ふふ…あはは…っ…」


そんな旭を見て、
突然すみれが笑い出した。


「「…っ⁈」」


「あ…ごめ…ごめんなさいっ!
怖そう…ってビックリしちゃったけど…
そんなに落ち込んじゃって…
本当はすごい優しくて
可愛い人なんだな…って思ったら、
ギャップにやられちゃって…」


すみれの笑顔を見て、
旭と木吉はお互い顔を見合わせた。


「はは…まぁ…怖がられなくなったなら、いっか。」


「”ギャップにやられて”…って…
なんかズルいな。」


旭はホッとしていたようだが、
木吉は旭ばかりを見て
笑っているすみれを見て、
少しだけ悔しそうだった。


「あ!そういえばご注文は?
何飲みます?」


本来最初に聞くべきコトを、
やっと旭が聞いた。


「ごめんなさい!
すっかり注文忘れてました。」


「いや、オレが聞かなかったから。」


木吉はすぐにメニューを出したが、
ふとすみれに質問をした。


「すみれさん、ホットココア好き?」

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