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〜Cafe myosotis〜

第2章 -なにかひとつ-(澤村)


カランカラン…♪


「…っ⁈」


ドアを開けると思いきり鈴の音がして、
ビクッとするすみれ…。


「すご…い…」


外からは想像もできない店内の作りに、
思わず感嘆の声をあげてしまうすみれ…


壁一面に広がる大きな大きな本棚には
たくさんの本…
まるで大きな木の中に、
そのまま部屋を作ったような…
木の温もりを感じる空間だった。


奥にはカウンター席があり、
コーヒーのいい香りがしている。


「いらっしゃいませ。」


「…っ⁈あ、すみません‼︎勝手に…」


突然、中から人が出てきて、
テンパるすみれ…。


テンパった理由はもう一つ。
店にいるのは、おじいさん…だと
勝手に想像していた
すみれの予想に反し、
思った以上に若い店員…
しかもイケメンだったからだ。


「勝手にって…くくっ…面白いなぁ。
喫茶店なんだから、
お店が営業していれば、
勝手に入っていいんだよ。」


「は…はぁ…」


「お好きなお席にどうぞ。
って、ココのカウンター席しか
ないんだけどね。」


その店員は
カウンターの中から出てきて、
すみれのために椅子を引いてくれた。


「ありがとうございます。」


「どういたしまして。
ご注文は何にしますか?」


二カッと微笑んで、
カウンターの中に戻った店員は、
すみれをジッと見つめて、
メニューを見せてくれる。


優しいお兄さん…
そんな言葉がピッタリの店員さんに
ステキな笑顔で見つめられ、
すみれは真っ赤になって
固まっていた。


「他にお客さまがいないから
緊張してるの?大丈夫だって!
別に変な店じゃないんだから。」


「あ…いえ…。
(この人…
自分の魅力わかってないのかな…)」


「コーヒーは好き?」


「はい。」


戸惑っているすみれに気を遣ったのか、
優しく話し掛ける店員。


「じゃ、この辺がオススメかな。
ミルクを入れるなら、
このお豆がオススメ。
香りを楽しみたいなら、こっち…
珍しいのは…コレかな。」


「じゃあ…コレで…」


すみれは、1番最初に
勧められたコーヒーを選んだ。


「了解!オレもそれ好き。」


「…っ⁉︎」


コーヒーを飲む前に…
店員さんの笑顔でお腹いっぱいの
すみれだった。

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