第7章 -仕事とドジと喧嘩とあなた-(東峰/菅原/澤村)
「いらっしゃ…って、だ…」
「大地っ⁈」
旭と同時にドアのほうを
振り返ったすみれは、
旭よりも先に入ってきた男の名前を口にする。
「えっ⁈」
すみれが自分より
先に大地の名前を言ったコトで、
旭はテンパり、大地とすみれを交互に見る。
「おう。久しぶりだなぁ…旭。」
「「…⁈(ブ…ブラック大地だ…‼︎)」」
旭とすみれは瞬時に
大地の表情を読み取り固まるが、
なぜブラックなのか、
2人とも理解していない。
「大地…なんで…?」
喧嘩をしていたコトも忘れ、
先に口を開いたのはすみれだった。
「はぁ…まったく。
電話もメールも無視しやがって!
心配したんだからな?」
大地はすみれの横に行くと、
コツンとすみれのおでこをこずく。
「う…。だって…。ゴメン…なさい。」
「で?なんでココにいるんだよ?」
旭の存在をとりあえず無視して、
大地はすみれに話し掛け続ける。
「し…仕事しようと思って…
偶然、このお店見つけて…。」
「は⁈おまえ、
また仕事持って帰ってきたの⁈」
「だって…。」
「仕事とプライベートちゃんと分けないと、
すみれが壊れるんだからな?」
「お…怒ってる?」
「…もう怒ってない。
どっちかっていうと、
電話無視したほうには怒ってる。
あともうひとつな。」
大地がチラリと旭を見ると、
旭はひぃっと固まってしまう。
「ム…無視したんじゃなくて、
気付いてなかったんだってば‼︎
それより、大地こそ、なんでココに?」
すみれが聞くと、
ようやく大地は旭の存在を思い出す。
「あぁ。前に話したコトあったろ?
高校からの友だちの”旭”と”スガ”…
紹介するって。こいつは旭。」
「大地…一応聞くけど…2人は…」
大地とすみれの会話…
どちらかというと大地の態度から、
ほぼほぼわかってはいたが、
念のため旭は大地に聞く。
「旭にもこないだ話しただろ?
オレの婚約者。」
「えぇっ⁈」
「それより、旭〜?
さっきすみれの手…
握ってなかったか?」
青筋を立てた大地が
ブラックスマイルで旭に詰め寄る。
ガチャ…
「ただいまー!あ!大地〜!」