第7章 -仕事とドジと喧嘩とあなた-(東峰/菅原/澤村)
「ま、旭らしいけどなー。」
「なんだよ、それー?」
でも、これはこれで相性はいいらしい。
それに2人の間に”信頼”があるから、
こんな言い合いもできるのだろう…
自分自身が彼と喧嘩したことを思い出し、
男同士とはいえ、彼らの間の”信頼”を
すみれは少し羨ましく思っていた。
「お2人は付き合い長いんですか?」
「「えっ⁈」」
2人が同時にすみれのほうを見る。
「あ!すみません。
なんだかお2人のやりとりが、
そんな感じだったので。」
「高校ん時からの腐れ縁!
あ!こんなんたけど、
一応、旭は同級生だから♪」
「…⁈」
「ちょっ…そんな言い方しなくても…」
「あ!旭ってこいつね。
で、オレは菅原。」
「あ…檜原…です。」
すみれは2人が同級生だと知り、
正直少し驚いていたが、
爽やかなほうの人…菅原が
すみれに自己紹介をしたので、
流れですみれも名前を…
2人とも”苗字”だけだったので、
すみれも苗字だけを名乗る。
「あ!檜原さん、何飲むか決めた?」
怖い顔の人…旭が
すみれに優しく聞いた。
「えっと…じゃあ、マンデリンで。」
「はーい。ほら、旭!」
「あ!うん!」
旭はコーヒー豆を取り出すため、
ボトルを開けるが…
「うわぁっ…」
思いのほかドバッと出てきたらしく、
床にまでコーヒー豆が散乱してしまう。
「旭、落ち着きなってー。
こんなんじゃマスター独り立ちできないぞ?」
「うっ…イタいコト言うなよ〜。」
「マスター…?独り立ち…?」
すみれが不思議そうに呟く。
「あぁ。旭は見習いから昇格して、
今日からマスターなんだ!
ちなみにオレはまだ見習い(笑)」
「えっ⁈」
「檜原さ〜ん…
そんな驚かなくても…」
コーヒー豆を拾い集めた旭が
すみれの反応に突っ込みを入れる。
「あ!いえ!あの!
旭さんがマスターっぽくないとか
そういうわけじゃ決して…」
「ぷっ…檜原さん、すげぇ面白い‼︎」
「あの…ちがっ…」