第3章 -逮捕すんぞ-(火神/氷室/青峰)
「はぁぁぁ…また逃げられたっ!」
ガタンッと勢いよく、
色黒警察官は、
先程氷室が座っていた席に座った。
「おいっ‼︎ビールっ!」
「はぁ⁈てめぇに出す酒はねぇよ!
つぅか勤務中だろっ‼︎」
「あん⁈氷室いねぇんじゃ、
今日はもう終わりだ、終わりっ‼︎」
すみれは口も悪けりゃ態度も悪い…
どう見ても氷室より犯人顔の警察官を
恐る恐る隣で観察していた。
着崩した制服…ネクタイも緩め、
ワイシャツのボタンも3つ程あいていて、
そこから覗く胸元が、
異様にセクシーに見えてしまう。
すっかり酔いが冷めていた
すみれだったが、
青峰と呼ばれていた警察官に
見惚れてしまっていた。
「あん⁈なんだよ?」
「あっ‼︎いえ…あの…
氷室…さん…て、何をしたんですか?」
「は⁈おまえ、知らねーの?」
そう聞いた青峰は、
ジロジロとすみれを見る。
「…し…知りません!」
「ふぅん…」
青峰はすみれを見るのをやめない。
居心地が悪くなったすみれは、
たまらず席を立つ。
「マスター!お会計…」
「おう。」
「なんだよ、もう帰んのか?」
「…はい。」