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〜Cafe myosotis〜

第3章 -逮捕すんぞ-(火神/氷室/青峰)


すみれは美味しい焼きそばで、
一瞬忘れかけていたが、
ふとカウンターの下の足元を覗き込む。


「…♪(ダメだよ?)」


「…っ‼︎」


唇だけを動かし、
すみれにウインクして見せる辰也に
すみれは動揺してしまう。


「さっきからどうしたんだよ?」


火神は怪訝そうな顔をして、
すみれに尋ねる。


「ううん。」


「ま、いいけど。そういやさ…」


「なぁに?」


すみれは焼きそばを頬張りながら、
カウンターの中の火神を見上げる。


「なんで、さっき、
ココで働きたいとか言ったんだよ?」


「あ…それは…」


思わぬ質問に、すみれは
シャンディガフを流し込み、
息を整える。


「うーん…イロイロ…」


「なにごまかしてんだよ?」


「ごまかしてるわけじゃ…」


「酒入ってんだし、
別に酔った勢いで何言われても
こっちは気にしねぇよ。」


火神はすみれの頭を
ぐしゃぐしゃっとしてやる。


本当はいつもと様子の違ったすみれが
心配だっただけなのだが、
それを素直に言える火神ではない。


「仕事…よくわからなくて…。」


「わからないって何がだよ?」


「好きでやってるわけじゃないし…
でも、責任持って仕事したいから、
ちゃんとやるけど…」


「ちゃんとやってんなら、
いーんじゃねーの?
つぅか、おまえが好きな仕事
すりゃいいんじゃねぇの?」


「…‼︎そうなんだけど‼︎」


ただでさえ、
女の扱いは得意ではない火神は、
あまり相談相手には向かない。



ちょんちょん…


「きゃっ‼︎」


カウンターの下の辰也に
また膝を触れられたすみれは、
今度は火神の前で叫んでしまう。


「大我、そんな答えじゃダメだよ。
まったく彼女に響かない。」


「辰也っ⁈お、お、おまえ…⁉︎」


すみれの叫びを合図に、
今まで隠れていた氷室辰也が、
カウンター下から出てきた。


全身の姿を見ると、
やはり美男子だということが証明される。


「おまえ、なんちゅートコにいたんだよ⁈」


「ふぅ…さすがに足が痺れてきたな。」


呆れて叫ぶ火神の前で、
氷室は呑気に服を整えていた。

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