• テキストサイズ

〜Cafe myosotis〜

第3章 -逮捕すんぞ-(火神/氷室/青峰)


「あ?どうした?」


すみれの反応に、
火神はカウンターの中から、
すみれの皿を覗き込む。


「ピクルスが…減ってる気が…」


「…‼︎…ピクルスが?」


「どうかした?」


心当たりがあるのか、
”ピクルス”に反応する火神…



チョン…


「え…?」


「どうした?」


「あ…ううん。」


しかし、すみれは首を傾げる。
何かが膝に触れたのだ。


「ピクルスはもうやめとけ。
なんかもっと
腹に溜まるもんでも食うか?」


「あ…うん。」


「んじゃ、焼きそばでも食うか?」


そう言って、
火神はすみれに背を向け、
少し奥のコンロに火を付けた。




「ね?
ピクルス…おかわりほしいな。」


「…っ⁈きゃ…っっっっっ⁈」


「しぃっ♪大きな声は出さないで?
大我にバレちゃう…。」


突然足元から出てきた背の高い男…
しかも一瞬女かと見紛うような
美男子に口元を押さえられ、
すみれはパニックだった。


「…っ⁈んっ…‼︎んんっ‼︎」


すみれがうんうんと頷くと、
その美男子はそっとすみれの口元から
優しく手をはなした。


「驚かしちゃってごめんね。」


「…(な…なんなの、この人…⁈痴漢⁈
カウンターの下にいるなんて…‼︎
こんな美男子じゃなかったら、
おまわりさん呼んで即逮捕だよ…)」


なんとも現金なことを考えている
すみれだったが、
まさかそんな本音は言えず、
ただただポカンとして
その美男子を見つめるだけだった。


「オレは氷室辰也。辰也でいいよ。
大我…あ、あのマスターは
オレの弟みたいなもんなんだ。
でも、ちょっと今追われてて…」


「おい‼︎青海苔かけるか〜?」


「…⁉︎」


「しっ♪」


辰也はウインクをして、
またカウンターの下にそっと隠れる。


「ううん!いらないです!」


「はぁ…たく。
この青海苔がうまいっつぅのに。
ほら、食え。」


ブツブツ言いながらも、
火神はすみれの前に、
ほかほか湯気のたった焼きそばを置いた。


「美味しそう!」


すみれはふぅふぅ…としながら
焼きそばを口に運ぶ。


「美味しい!」


「当たり前だろ。」


そっけなく答えるが、
満更でもなさそうな火神。

/ 69ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp