第1章 君といたい
医学所を出てから、僕達は新選組の屯所に寄った。
此処を出たばかりの頃より随分と元気になった僕を見て、近藤さんと土方さんも目を細める。
「いやいや、本当に君の力は偉大だなぁ。」
うんうんと頷きながら感心したように有希ちゃんに向かってそう言う近藤さんに、
「そんな事はありません。」
と、有希ちゃんはまた頬を染めた。
「謙遜などしなくても良いぞ。
総司だってそう思うだろう?」
近藤さんは本当に嬉しそうだ。
だから僕も素直に答える。
「うん。
松本先生にも言ったけど、全部有希ちゃんのお陰なんだ。
有希ちゃんがずっと側に居てくれるから、僕は頑張れる。」
「もう……止めて下さい。……沖田さん。」
本当に困った様子の有希ちゃんに、その場の空気が益々穏やかになっていった。