第6章 エピローグ~今宵この時~
「ねえ………有希ちゃん。
君のここで……大きくして欲しい。
……駄目かな?」
僕が遠慮がちに言ってから有希ちゃんの唇に指を這わすと、有希ちゃんは身体を強張らせて息を飲んだ。
過去に有希ちゃんが平助に凌辱された時……
明らかに口の中に白濁を吐き出された痕跡があった。
平助の白濁に汚された有希ちゃんの頬を、僕は怒りに震える手で何度も拭った事を覚えている。
だから今、僕が有希ちゃんに求めている行為は有希ちゃんにとって苦痛以外の何物でも無いだろうと、これまで避けて来た行為だ。
でも……君の全てが欲しい。
有希ちゃんの全てに触れたい。
今夜はどうしてもそんな下卑た欲望が抑えきれなかった。
有希ちゃんが応えられないと言うのなら当然諦めるつもりだったけど、有希ちゃんは意外な程あっさりと頷いてくれた。
「………良いの?」
「……はい。」
承諾を得て僕は有希ちゃんの中からずるりと牡茎を抜き出すと、慌てて立ち上がり懐紙を手に取った。
その懐紙で有希ちゃんの愛液と自分の白濁に塗れた牡茎を拭おうとすると、それを遮るように有希ちゃんの両手が牡茎に添わされる。
「…………私が……」
「有希ちゃん?」
「私が………綺麗に…しますから。」
その言葉と真っ赤になって俯く有希ちゃんの姿に僕の鼓動がどくんと跳ね上がった。