【進撃の巨人】 never ending dream R18
第12章 強く結ぶ~剣舞~
「何かあったら声を掛けて。」
「あぁ。」
寝具を整え、部屋を後にしようとするサラを、ミケはドアの横で見送る。
「おやすみ。」
そう言いながら、サラはミケに微笑んだ。
そして、サラがドアを開けた瞬間だった。
バンッという大きな音を立てながら、サラの頭上から伸びたミケの手によって、ドアが閉められた。
「ミケ…?」
ミケの強い腕の力で、小さいサラの身体が後ろから抱き締められる。
「ミケ…痛い…。」
あまりにも突然過ぎる出来事に、サラはその腕を振りほどけずにいた。
ミケの息づかいがサラの黒髪に伝わる。
そしてそれは、徐々に首元へと下がってきた。
「ミケ…どうした?」
ミケは困惑するサラの髪を片側へ寄せると、露わになった真っ白なうなじに、そっと口づける。
一瞬、サラの身体がビクッと反応した。
「サラ…。
今日は朝まで一緒にいて欲しい。」
ミケの腕の力が強まる。
こんなミケを、サラは初めて見た。
「それは…“分隊長”としての指示か?」
「あぁ。そうだ。」
「ふざけるな。」
そう言いながら、サラはミケの腕を振りほどく。
まるで、そうなる事が分かっていたかのように、ミケの腕はすんなりとサラを解放した。
「…冗談だ。」
いつも通りに鼻で笑うミケは、どこかもの悲しげだった。