【進撃の巨人】 never ending dream R18
第11章 強く結ぶ~勝負~●
サラが目を覚ますと、身体には律儀にもストールがかけられていた。
朦朧とする頭。
起こす事が出来ない身体。
呼吸はまだ途切れ途切れのままだった。
気を失っていたのだろうと、サラはようやく状況を把握しはじめた。
「おい。
気が付いたか?」
隣には、壁にもたれて座るリヴァイの姿があった。
ランプの優しい明かりに照らされたリヴァイの顔に、サラはなぜか胸が痛くなった。
「私の負けだよ。
約束通り、君の言うことを何でも聞こう…。
何がいい?」
床に横たわったまま、サラはリヴァイへそう問いかける。
サラは、どんな事であろうとも応えるつもりでいた。
例えそれが…非人道的なものであろうとも。
しかし、リヴァイの口から出た言葉は、あまりにも意外であり、サラにとっては驚くべき言葉だった。
「お前が勝っていたら、俺にしていた質問とやらを言え。
答えるかどうかは質問を聞いてからだ。」
腕を組み、遠くを見つめながらそう話すリヴァイを見て、なぜかサラは笑いが込み上げた。
不思議な男だ…心からそう思った。
サラは何とか身体を起こそうと試みるが、全く力が入らない。
呼吸は徐々に整ってきたが、頭は未だに朦朧としたままだった。
サラは横たわったまま、リヴァイを見つめる。
リヴァイの瞳もまた、サラを見つめていた。
「君は…人を殺した事があるのか?」
「あぁ…。」
サラの問いかけに、少し間をおいて、リヴァイはそう答えた。
「なぜ人を殺した?」
サラの質問が続く。
「おい。
質問は1つじゃねぇのか?」
「1つとは言っていない。
本当に聞きたかったのはこっちだ。」
そんなサラの言葉に、リヴァイは軽く舌打ちをする。
不愉快そうなしかめ面のリヴァイを、サラはただただ見つめていた。