【進撃の巨人】 never ending dream R18
第11章 強く結ぶ~勝負~●
カシャンという音とともに、サラが持つ剣の刃が床に落ちた。
あまりの衝撃に、サラはその場にうずくまる。
それは一瞬の事だった。
サラが渾身の力を込めて振り下ろした刃へむけ、リヴァイは逆手に持った剣の刃を振り上げた。
痺れるような衝撃と同時に、サラが持つ剣の刃が折れた。
「勝負はついた。
お前の負けだ。」
うずくまり、身動きひとつしないサラに、リヴァイはそう言い放つ。
こんな事は初めてだった。
サラの攻撃を全て峰で受け止めていたリヴァイの突然の一撃。
一瞬何が起きたのか分からなかった。
これが“本当の”人間同士の戦い方なのだろうと、サラは思う。
それと同時に、リヴァイはこのような戦い方を、一体…どのようにして学んだのだろうと思った。
しかし、サラも簡単に負けを認めるわけにはいかない。
リヴァイには…どうしても答えて欲しい事がある。
そして、リヴァイの口から…直接聞きたい言葉がある。
「おい。
立てねぇのか?」
サラを見下ろしながら、リヴァイはそう問いかける。
次の瞬間、サラは立ち上がると同時に、リヴァイの持つ剣を足で蹴り上げた。
その勢いで、リヴァイの剣は格技場の隅へと飛んでいく。
「てめぇ…。」
リヴァイの冷たい三白眼が鋭さを増した。
「どちらかが、負けを認めるまでが勝負なんだよ。」
そう言うとサラは、右手に握り締めていた折れた剣を、とっさに逆手へと持ち替え、リヴァイ目掛けて振り下ろした。
しかし、そんなサラの行動を読んでいたかのように、リヴァイはサラの腹めがけ、拳で鋭い一撃を与える。
「うっ…!!」
あまりの激痛に、呼吸する事さえ出来ないサラの瞳に、リヴァイの顔が映る。
(私は…どうあがいても君には勝てないんだ。
だからこそ…君の心が知りたいんだ。)
そこでサラの意識は途切れた。
力なく倒れ込んだサラの身体を、リヴァイは抱きかかえると、壁際の床へと優しく寝かせた。