【進撃の巨人】 never ending dream R18
第11章 強く結ぶ~勝負~●
格技場へ着くと、サラは手持ちランプを床に置いた。
真っ暗だった格技場の中を、柔らかい明かりが包む。
その明かりは、格技場の窓から外へと漏れ出し、まるで大きな籠の中から炎を灯しているようだった。
サラは高く積まれた木箱の隙間から、古い剣を2本取り出す。
立体機動装置とは未接続の操作グリップに、刃を取り付けただけの剣。
もう何年も前の物だろう。
格技場がまだ、その役割を果たしていた頃の物だった。
サラは肩から掛けていたストールを脱ぐと、両手に剣を持ち、格技場の中央へと進む。
その瞬間、なぜかリヴァイの顔が頭に浮かんだ。
いつも右手の剣を逆手に持つリヴァイ。
一体あの手で、何人の命を奪ったのだろうか…。
そう、思った瞬間だった。
格技場の重たい扉が開いた。
サラは剣を下ろし、開け放たれた扉を見つめる。
そこにはリヴァイが立っていた。
「…眠れないのか?」
「あぁ。」
そう言うと、リヴァイはサラから視線をそらした。
大きめのシャツから覗く太ももに気付き、目のやり場に困ったのだろう。
そんなリヴァイを見て、サラはふふっと笑った。
そして、両手に持った2本の剣に目をやると、リヴァイに向けこう言った。
「リヴァイ…私と勝負しないか?」
「勝負?」
リヴァイの顔が険しくなる。
そんなリヴァイへ、サラは両手に持った剣のうちの片方を投げつける。
その剣をリヴァイは、軽々と片手で受け取った。
「私が勝ったら、私の質問に答えてほしい。」
リヴァイは問いかける。
「俺が勝ったら?」
「君の言うことを何でも聞くよ。」
サラはそう微笑んだ。
リヴァイは少し考えた様子で、こう答える。
「あぁ…。いいだろう。悪くない。」
サラはゆっくりと、リヴァイに剣を向けた。