【進撃の巨人】 never ending dream R18
第35章 静夜思
この20年、リヴァイは日々の暮らしの中にサラを探した。
もしサラがいたならと、そんな事ばかりを考えていた。
しかし、もうその必要もない。
先ほどから心地好い眠気がリヴァイを襲っていた。
眠ってしまえば、もう二度と目を覚ます事はないだろう。
「…なぁ、俺は死ぬのか?」
そう問いかけるリヴァイ。
サラは何も言わぬまま、ただ微笑むばかりだ。
しかし、こうしてサラに見守られながらこの日を迎えられた事をリヴァイは嬉しく思う。
愛する女の温もりを感じ、死を迎える。
こんな最期も悪くないと、リヴァイは月明かりの下で微笑むサラを見つめた。
「なぁ…死後の世界ってやつはどんなんだ?」
サラの青い瞳にそう問いかける。
少し考える素振りを見せるサラ。
いつだったかサラは言っていた。
もし、人間に痛覚が無ければ、死への恐怖は無くなるのかと。
そんなサラに対し、痛みよりも死後の方が怖いとリヴァイは言った。
痛みは一瞬で終わるが、死は永遠に続く。
自分が死んだ後、この世界がどうなっていくのかも分からない。
愛する女に触れる事も出来ない。
死んだ奴にしか分からない事だと2人は笑ったが、今、その答えが分かるの時なのかもしれない。
「死後の世界か。
そうだな…
“終わらない夢”を見ているようだよ。」