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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第35章 静夜思






夜の冷たい空気のせいなのか、昼間はほとんど出る事のない咳が続く。

ベッドへ横たわっていたリヴァイは、あまりの苦しさに眠る事すら出来ない。

食いちぎられた脚をも再生してしまう巨人化の力。

そんな巨人化の力でさえも、病には敵わないのだという事を身をもって感じた。



そろそろ死期が近いのだろうか。

そう思い始めたのは数週間前からだった。

夜になると徐々に手足が冷たくなっていく。

それは20年前のあの日に感じた不思議な感覚ととても良く似ていた。



医者であるエレンも、リヴァイの身体の異変に気付いていたのだろう。

だからそこ、あえて普段通りの振る舞いをした。

相手の死を受け入れるという事は、相手の命を尊重する事。

医者であるエレンに、リヴァイはそんな事を教えられた気がしていた。



「………サラ?」

ふと目を開けると、サラの顔が見えたような気がし、リヴァイは思わず名前を呼ぶ。

数週間前からこうして時折姿を見せるサラの幻影。

全てを見透かしているように微笑むサラ。

触れようと手を伸ばせば消えてしまう。

夢と現実の間にいるような不思議な感覚がリヴァイを襲う。



サラに会えるのならば…夢であろうともかまわない。

そう思い、リヴァイはやがて訪れる死を待っていた。






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