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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第33章 使命


「テメェがやり遂げなきゃならねぇっつってんのはテメェの“父親の夢”だろ?」

リヴァイの吐き捨てる様な言葉に、サラは驚いた表情を浮かべた。

「リヴァイ…君は何でも知っているんだな。」とサラは笑う。



「君に話した事は無いはずだが?」

「詳しくは知らねぇ。
だが、お前の考えそうな事ぐらいは分かる。」



「そうか。」とサラはため息をつくと、再び父であるエルヴィンの肖像画を見上げた。

サラが団長に就任した日から、この団長室に掲げられたエルヴィンの肖像画。

前団長である父の話したある“仮説”を忘れないようにとの想いを込め、サラが掛けたものだ。



サラが調査兵を志したあの日に聞かされたエルヴィンの幼い頃の話。

それはエルヴィンの父であるサラの祖父の“仮説”だった。



“今から107年前、この壁に逃げ込んだ当時の人類は、王によって統治しやすいように、記憶を改ざんされた。”



あの日、そう話すエルヴィンの姿に、サラは身震いがした。

強くなりたいと願い、自ら訓練兵となった。

厳しい訓練を積み、調査兵となり、壁外で巨人と戦うようになったサラ。

人類の勝利のため。

人類が再び自由を取り戻すため。

そう自分を鼓舞し、心臓を捧げよと剣を振るってきた。

いつの間にか、エルヴィンの話す“仮説”の事など、遠い記憶の片隅に追いやられてしまっていた。



しかし、エルヴィンが壁外へと散ったあの日から、サラの中でよみがえった記憶がある。

“俺の人生の使命は、父の仮説を証明する事”

幼い日のサラに、エルヴィンはそう言った。



いつしかサラの中で、父であるエルヴィンの“使命”は自身の“使命”へと変わった。



エルヴィンがたどり着く事の出来なかったこの世界の真実。

全ての答えは地下室にあるだろう。



「この世界の真実が明らかになる瞬間には、私が立ち会わなければならないんだ。」

サラはそう言うと、父であるエルヴィンによく似た青く澄んだ瞳でリヴァイを見つめた。




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