【進撃の巨人】 never ending dream R18
第33章 使命
「巨人のエサで構わない。
おとりに使えばいい。」
「ダメだ。お前はここで果報を待て。
お前は椅子に座って頭を動かすだけで十分だ。
巨人にとっちゃそれが一番迷惑な話で、人類にとっちゃそれが一番いい選択のハズだ。」
「いや…、一番はこの作戦に全てを懸け…」
「おい、俺はお前に死なれちゃ困るって話をしてるんだ。
それに…お前の右目はもうほとんど見えちゃいねぇんだろ?」
サラの言葉をさえぎる様にリヴァイはそう言った。
そんなリヴァイの言葉に驚きながらも、サラは「君はすごいな。」と笑う。
ミケにしか知られていないと思っていた右目の事を指摘されるとは思ってもいなかった。
サラは決まりが悪そうにリヴァイを見つめた。
「いつから気付いていたんだ?」
「初めて会った日だ。
お前は決して“俺達”に身体の右側を見せなかった。
そして、不自然なくらいお前の右側にはミケがいた。」
初めて会った日。
それは、当時分隊長であったサラが、地下街の窃盗団であったリヴァイ達を捕らえた日の事だ。
確かに右目の視力を失ってから、ミケ以外の人物に自身の右側を見せる事をサラは極端に嫌った。
あの日もサラは決してリヴァイ達に自身の右側を見せる事はなかった。
そして、そんなサラの右側にはミケがいた。
そんなにも前から気付かれていたのかと、サラは思わず声を出して笑った。
しかし、例え右目が見えなかろうと、今回の作戦を発案したのは自分だ。
誰が何と言おうと、壁の中に留まる事は出来ない。
「私にはどうしてもやり遂げなければならない事があるんだ。」
サラは真剣な眼差しでそう言った。