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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第33章 使命


「ウォール・マリアを奪還した後か…。

それは“脅威の排除”だ。

壁の外にはどうしても私達を巨人に食わせたいと思っている奴らがいるらしい。

もっとも…それが何なのか、答えは“地下室”にあると踏んでいる。

だから、先ほどの会議で話した通りだ。

全ては“地下室”に行った後に考えよう。」



そうサラは淡々と答えた。

リヴァイ同様、団長であるサラも決してこの状況を“好機”とは捉えていない。

今回の作戦が失敗に終われば、壁の中に未来はないだろう。



サラは机の引き出しを開け、書類を机の中へとしまう。

右腕を失って2ヶ月。

不慣れな左手での作業は難しく、数枚の書類がサラの手元からヒラリと床に落ちた。



「…お前がそこまで生きてるか分からねぇから聞いてんだ。

その身体はもう以前のようには動かせねぇ。
さしずめ巨人の格好のエサだ。」

すぐさま書類を拾い上げるサラを見て、リヴァイは大きなため息をつく。

サラにとっては心も身体も許しているリヴァイとはいえ、この様な姿を見られるのは抵抗があった。

書類を引き出しへとしまい終えると、サラは椅子にもたれ黙りこんだ。



確かにリヴァイの言う通りだとサラは思う。

現場の指揮はハンジに託し、手負いの兵士は現場を退くべきなのだろう。

しかし、今回の作戦は今まで以上に困難であり、人類にとって最も重要な戦いだ。

自分が指揮を執らねば成功率は下がる。

そして何より、エレン・イェーガーの自宅地下室に隠されたこの世界の真実。

その真実が明らかになる瞬間には、どうしても立ち会わなければならない。

サラはドアの前に佇むリヴァイの頭上に飾られた、父親であるエルヴィンの肖像画を見つめた。






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