【進撃の巨人】 never ending dream R18
第33章 使命
「ロヴォフは憲兵団に物資を納品しているラング商会と癒着がある。
壁外調査の廃止で浮いた予算をそこへ回すつもりだ。」
言うつもりはなかったがと、マックスは深いため息をついた。
突然マックスの口から明かされた“真実”に驚いたが、その内容は私が予想していたものだった。
いつの時代も政治には莫大な金が動く。
“まっとう”な人間でなければ、その金を少しでも自分の懐に入れたいと思うのだろう。
「俺はもう、ロヴォフ側の人間ではない。
この情報をどうするかはお前の勝手だ。」
そう話すマックスにも、少なからず報酬はあったのだろうか。
そうでなければ、医者であるマックスがロヴォフに手を貸すわけがないのだ。
王都にはびこる政治腐敗の根深さにため息が出た。
それと同時に、政治家達の私利私欲のために人類の未来が断たれてしまうのかと思うと、言葉では表せないほどの怒りが込み上げた。