【進撃の巨人】 never ending dream R18
第33章 使命
10分ほど歩いた時だろうか。
私の数m後から1人の足音が聞こえてきた。
街を行き交う人々に紛れ、一定の距離を保ち、私の後をつける足音。
人混みの間から、私の背中目掛けて銃を撃つ事も可能だろう。
しかし、貴族院議員のロヴォフの事だ。
そのような目立った行動を起こすわけがない。
もし、この狭いミットラスの街で誰の目にも触れずに人を殺そうとするならば…その場所は限られている。
それは地下街。
このミットラスの街の地下には、広大な居住空間が存在していた。
昔、巨人から逃れるため、地下での暮らしが検討されていた事があった。
現実的ではないと結局移住は中止され、残された廃墟は貧しい者や犯罪者の住みかとなっていた。
スラム化した深部は王政からも見放され、今や憲兵団すら立ち入りを躊躇するほどだ。