【進撃の巨人】 never ending dream R18
第33章 使命
「ところで…なぜ屋上から飛び降りたんだ?」
男は鼻でフッと笑いながら、そう言った。
男の言葉に、私は思わず顔をしかめてしまう。
「飛び降りたんじゃない。…足を滑らせたんだ。」
酒に酔い、立ち上がった拍子に足を滑らせた。
ただそれだけの話だ。
しかし、男は愉快そうに声を出して笑った。
「“調査兵”が足を滑らせるのか?
壁外で巨人と戦っているんだろ?」
顔をくしゃくしゃにしながら笑うその表情は、やはりどこかエリクに似ていた。
私の胸はわずかな高鳴りを覚える。
もう二度と会う事のないエリク。
そんなエリクの面影を、私は男の姿から見ようとしていたのだ。