• テキストサイズ

【進撃の巨人】 never ending dream R18

第33章 使命


ふと、その男は私の視線に気が付いたのか、急にこちらを振り返った。



見慣れない顔。



しかし、無造作に束ねた髪のせいか、部屋中に漂う紅茶の香りのせいか…その顔はどことなくエリクに似ているような気がした。





「目が覚めたか?」



男はそう言いながら、ティーカップの紅茶を一口すすった。



無愛想な物言い。



しかし、男の姿にどこかエリクを重ねてしまっていた私は、ベッドに腰かけたまま、紅茶を飲み続ける男の顔をじっと見つめた。





「お前も飲むか?」



男はそう言いながら、戸棚に置かれたカップへと手を伸ばす。



「いえ、紅茶は苦手なんだ。」



「…そうか。」



男は手に取ったカップを再び戸棚へと戻す。



エリクに別れを告げたあの日から、私は一度も紅茶を飲んでいなかった。






/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp