【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
その日の夜、職務を終え、再び兵舎の部屋へ戻ると、開けておいたはずの窓が閉められている事に気が付いた。
一体誰が閉めたのだろう。
もしかすると、彼女が再び部屋を訪れたのだろうか。
俺は部屋を見渡す。
そして…
俺は愕然とした。
開け放たれたクローゼット。
そのクローゼットの床には、サユリが殺されたあの日、サラが大事に握り締めていた剣が転がっていたのだ。
「サラ?」
そこにはすでにサラの姿は無かったが、あきらかに不自然に放置された剣に、俺の胸はざわついた。
彼女と愛し合う姿を、サラはクローゼットの中から見ていたのではないだろうか…。
俺は床に転がる剣を、再びベッドの下へと隠す。
彼女と関係を持ったあの日から、俺の心の奧深くに芽生えた感情がある。
それは…亡きサユリに対しての後ろめたさなどではなく、娘であるサラに対する罪の意識だった。