第32章 エルヴィン・スミス②

それでも、俺は彼女と距離を置く事はなかった。





きっと…

サラは俺達の関係に気付いていたのだと思う。



彼女に対する“反抗”も、そのせいなのだろうと思っていた。





しかし、それはまだ俺の単なる想像にしかすぎなかった。





サラが俺と彼女の関係を知ってしまった決定的な日。




それは、あの日…





あの日も俺は、シャーディス団長と言い争いになり、打ちひしがれるように兵舎の部屋へと戻って来た。