【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
「分隊長…痛いです。」
「どうか、このままでいさせてくれ。」
気が付くと、俺は彼女の腕を引き寄せ、強く強く抱き締めていた。
温かく柔らかな彼女の身体。
そこからは甘い甘いバニラ砂糖の香りがした。
俺はきっと、自分でも気付かぬうちに、どこかで彼女を心の拠り所にしていたのだと思う。
それは…彼女に子供達の世話を頼んだあの日からだろうか。
それとも、彼女の脚がもとには戻らないと知ったあの日からだろうか。
いずれにせよ、俺の心の中にいつの間にか芽生えてしまった彼女への想いは、隠しきれないほどの大きさへと育ってしまっていたようだ。