【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
「…すまない。」
やましい気持ちがあったわけではないのだが、誤解をされては困ると、俺は慌てて彼女の髪から手を放した。
指先に掴んでいたのは小さな木葉。
それを見た彼女は、先ほどの驚いた表情が嘘のように、顔をクシャクシャにしながら声を出して笑った。
「分隊長…私に出来る事があれば、何でもお申し付け下さい。」
「どうしたんだ?急に。」
「いえ…最近とてもお疲れのようだったので。」
確かに、この時の俺は心身ともに疲れ果てていただろう。
それは調査兵として、分隊長として、そして父親として…。
この時の俺は、まるで迷路にでも迷い込んでしまったかのような心境だった。