【進撃の巨人】 never ending dream R18
第10章 強く結ぶ~追放~
サラは首の傷跡にそっと触れる。
そこには、消える事のない傷跡が生々しく残っていた。
そんなサラに、ザックレーは机の引き出しから取り出した書類を手渡す。
書類を見たサラの表情が、より険しいものへと変わった。
「この書類は…?」
「憲兵団、不介入のものも含め、リヴァイが今まで関わったとされる事件の概要だ。
サラ…彼は単なる窃盗団のリーダーではない。
残虐非道な殺人鬼だ。
この事を知っていたなら…私はリヴァイの調査兵団入団を認めたりはしなかっただろう。」
サラは手渡された書類を強く握り締めた。
「しかし、リヴァイは今回の壁外調査において、私が知る限り、9体もの巨人を倒しました。
その内の5体は奇行種です。
ザックレー総統…。
報告書とともに、私が提出した資料はご覧いただけましたでしょうか?」
サラがそう問いかけると、ザックレーは机の上に置かれた報告書の中から1枚を手に取った。
「陣形の中を状況に応じて、自由に動く事が出来る“特別作戦班”か…。」
「はい。
私はその特別作戦班にリヴァイを起用するつもりです。
調査兵団にとっても、人類にとっても、彼の能力は必要です。
彼の力に、この先の人類の未来がかかっていると言っても過言ではありません。
例え…殺人の“過去”があろうとも。」
サラは強い眼差しをザックレーに向ける。
そんなサラに、ザックレーは問いかけた。
「もし、彼のその能力が暴走した場合、君は確実に彼を止められるのか?」
サラの表情が曇った。