【進撃の巨人】 never ending dream R18
第10章 強く結ぶ~追放~
「兵士を危険にさらした…?」
サラは首をかしげる。
確かに、入団当初のリヴァイ達と既存の兵士との間に、軋轢が生じていたのは事実だった。
しかし、壁外調査帰還後、リヴァイの戦闘能力に憧れを抱く兵士が現れた事も、また事実だった。
とくに、リヴァイとほぼ同時期に入団した新兵の間では、リヴァイへの憧れからか、刃を逆手に持ち替える者まで現れ、サラも何度か注意をした事があった。
まわりに人を寄せ付けない雰囲気はあるにせよ、今やその戦闘能力の高さを含め、多くのカリスマ性を秘めたリヴァイは、調査兵団に不可欠な存在となっていた。
困惑するサラに、ザックレーは問いかける。
「フラゴンが壁外で命を落としたようだが…。
確かフラゴンの班には、そのリヴァイという男がいたそうだな?」
サラの表情が変わった。
「リヴァイが…殺したとでもおっしゃりたいのですか?」
怒りをあらわにしたサラを、ザックレーはなだめる。
「私が言ったわけではない。
私は君を信じている。
だが…君はフラゴンの最期を見たのか?」
ザックレーの言葉に、サラは黙り込んだ。
あの日、サラとミケが駆け付けた時にはもう、あの場所にはリヴァイの姿しかなかった。
しかし、傍らに転がるフラゴンの亡骸は、確かに巨人に食い殺されたものだった。
「そして、君の首の傷…。
それは、巨人に付けられた物ではないだろう?」
ザックレーの鋭い眼差しが、サラの首もとへと向けられていた。