【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
「団長、クレア・カーティスの件ですが…。」
「彼女の件は君に全て任せる。」
「はっ。承知しました。」
作成した書類を手渡し、話を切り出そうとした俺に、シャーディス団長は全てを俺に任せると言った。
普段は首を縦に振る事のないシャーディス団長が詳細を聞く事もなく許可を出した。
不思議だった。
早々に話を切り上げ、俺に立ち去ってもらいたい。
そのような素振りだった。
しかし、彼女はこれで調査兵団に所属しながら、子供達の世話をする事が許された。
彼女も故郷へ帰らずに、弟の治療費を送り続ける事が出来る。
しかし…この時俺の心にはわずかながら、しこりのような物が存在していた。
彼女の脚は、もうもとには戻らない。
その現実を受け止めながらも気丈に振る舞う彼女を見ていると、ひどく…胸が痛んだ。