【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
彼女には年の離れた弟がいた。
弟は幼い頃から病気がちで、彼女の両親は弟の治療費のため、寝る間も惜しんで働いていたという。
そんな両親の姿を見て育った彼女は、自身も弟のためにと12歳になった時、訓練兵団へ入団したと言っていた。
「私は“お姉さん”だから…
私が助けてあげないと。」
そう涙を流す彼女は、まだどこかあどけなさの残る少女で、そんな彼女がひとりで抱え込もうとしているものの大きさに、俺は何ともいたたまれない気持ちでいっぱいだった。
しかし…
彼女を調査兵団に置いておく事は出来ないだろう。
彼女の脚で壁外調査へ向かう事は困難だ。
俺が良しとしようとも、兵団内の全ての事柄に決定権を持つシャーディス団長が黙っていないだろう。
そこで俺は考えた。
彼女が調査兵団に残る事が出来る方法を…。