【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
それは夏を思わせる、暑い午後の昼下がり。
彼女が内地の病院へと向かってから7時間は経っていた。
「今日は内地の宿に一泊するといい。」
そう伝えたはずなのだが、彼女はひどく疲れた表情を浮かべながら、調査兵団本部へと戻って来たのだ。
彼女は兵団本部へ戻るやいなや、執務室に居る俺のもとを訪れた。
「…エルヴィン分隊長。」
今にも泣き出しそうな声。
彼女の脚は、本人が思っていた以上に深刻な状態になっていたようだ。
ひどく取り乱した様子の彼女を何とかなだめ、俺は今後についての話をした。
このまま彼女を調査兵団に置いておくべきではなかった。
彼女はまだ若い。
故郷に帰り、別の人生を歩む事も十分可能だ。
俺は調査兵団を退団するべきだと言ったのだが、彼女はどうしても調査兵団に残りたいと涙を流した。