【進撃の巨人】 never ending dream R18
第10章 強く結ぶ~追放~
「先日の会議でも述べたが…前回の壁外調査に比べ、今回はかなり被害が抑えられている。
さすがエルヴィンの娘だ。
そこは評価すべき点であろう。
しかし…君は少々“危険な橋”を渡りすぎたようだな。」
ザックレーは手元の報告書をながめ、深くため息をつく。
そんなザックレーを、サラは険しい表情で見つめた。
「率直に言おう。
ニコラス・ロヴォフ…。
君は彼の不正を暴き、そして彼を追放した。
彼は貴族院でも大きな影響力を持ち、同調する取り巻きも多かった。
そのほとんどが、彼の横領により恩恵を受けていた人物と思われるが…議員の中にも、そういった人物がいたようだな。
彼等は君を恐れている。
君の手により、ロヴォフの二の舞になる事を。
もちろん、表ざって君に意見する者はいないだろう。
君に目を付けられては困るだろうからな。
だからこそ彼等は…“もっともらしい理由”を付けて、君の退団処分を求めてきたよ。」
ザックレーは、手元の報告書を机へ置くと、サラを凝視した。
「君が地下街のゴロツキどもを調査兵団へ不正に入団させ、兵士を危険にさらした…と。」