【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
俺は急いでシガンシナ区の自宅へと馬を走らせた。
サユリの死を嘆き哀しむ暇など無かった。
シガンシナ区には2人の子供達がいたからだ。
母親を亡くした子供達のもとへ、一刻も早く駆け付けたい。
俺自身も、幼い頃に父親を失っていたからだった。
子供達は自宅近所に住むアルレルト夫妻の家に居るとの事だった。
しかし、アルレルト夫妻の家にはトージしか居らず、サラの姿が見当たらない。
もしかすると自宅に戻ったのではないかと、俺は数ヶ月振りの我が家へと向かった。
鍵の掛けられていない扉を開ける。
朝日が入り込む室内。
もし、本当にサユリがトロスト区で事故に遭っていたならば、台所に散乱している野菜は誰が切ったものなのだろうか…。
俺がそこで見た物。
それは、つい先ほどまでサユリが居たであろう形跡だった。