【進撃の巨人】 never ending dream R18
第10章 強く結ぶ~追放~
兵団総司令部、ザックレーの執務室にサラの姿があった。
兵団総司令部にて、第23回壁外調査を総括する会議が開かれたのは、つい3日前の事だった。
そこには、サラをはじめとする調査兵団の幹部達と、キースが招集されていた。
今回の壁外調査の成果次第で、今後の調査兵団の在り方が決定するだろう。
サラは意気込んで会議に臨んだが、あまりにもあっさりと会議は終了した。
何かがおかしい…。
そう思っていた矢先、ザックレーにより、サラだけが兵団総司令部へと呼び出しを受けた。
団長就任の件、そして次回の壁外調査の件だろうと、サラは予想していたが、ザックレーの口から出た言葉は意外なものだった。
「キースを、団長として正式に迎える気はないか?」
ザックレーの突然の言葉に、サラは瞳を大きく見開く。
ザックレーは机の椅子に腰を下ろすと、手元の報告書から、サラの顔へと視線を移した。
「それは…一体どういう事でしょうか?」
「3日前の会議終了後、私のもとへ複数の議員が押し掛けて来てな…。
君の調査兵団退団処分についてだそうだ。」
ザックレーはそう言うと、眼鏡を外して目頭を揉みほぐした。
ザックレーの瞳が赤く充血している事に、サラは部屋に入った時から気付いていた。
ここ3日間の間に、睡眠を奪うほどザックレーを悩ませている事があったのだろうと、サラは思っていた。
しかし、それが自分の退団処分…そしてキースの団長再就任…サラの表情が次第に険しくなった。
「私の退団処分とは…一体、なぜです?」