【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
「…父さんは、母さんを愛していた。」
どうして、今頃気付くのだろう。
“あの時…君をひとりにしてしまった事を、今でも後悔している。
いつか償いが出来るといいんだが。”
まるで月に語りかけるようなその言葉は、救う事の出来なかった“仲間”に向けられたものではない。
それは愛する母へと向けられた言葉。
空高く輝く月を母と思い、父が語りかけた言葉だ。
葡萄酒の注がれたグラス。
1つは母のために用意された物だったのだろう。
年に数回、父がシガンシナ区の家へと帰ってくる度、母は嬉しそうにたくさんの料理と黄色い花、そして葡萄酒を食卓に並べていた。