【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
激しい後悔と絶望感に襲われながら、ウォール・ローゼ内にある調査兵団本部へと戻った時、すでに時刻は午前0時をまわっていた。
モーゼスは何とか一命をとりとめたが、治療のためにしばらくは病院での生活となるだろう。
頭はすでに限界をむかえていたと思う。
愛する父や弟がいなくなってしまった世界。
団長を失った調査兵団。
私的な感情にまかせ、あさはかな行動をとってしまった自分自身。
それにより、大切な仲間を失いかけてしまった事。
私は一体…これからどうすればいいのだろう。
私は一体…分隊長として何が出来るのだろう。
薄暗い調査兵団本部の廊下を歩く。
私の足は、無意識に団長室へと向かっていた。
“父さんなら、どうするの?”
団長室の扉を開け、暗闇にそう語りかける。
頬からは一筋の涙がこぼれ落ちた。